SEの引き抜きによる転職のメリット・デメリットとは? ~ トラブル回避の考え方

出向などで所属会社を離れて客先で業務を行っている社員が、勧誘を受けて向こうの社員となってしまう。
いわゆる「引き抜き」でIT業界ではそこそこよく聞く話だと思います。
実際に私も受けたことがあり、育成した新人も受けたことがあります。

・引き抜き転職のメリット・デメリット
・考えられるトラブル
・トラブル回避の考え方

などを技術者目線で話したいと思います。
また、最後に私が引き抜き話をされたときの話もしたいと思います。

引き抜き転職のメリット・デメリット

メリット

・給料アップ

ほとんどはこれがあるから引き抜きに応じると言ってもいいのではないでしょうか。
交渉時に良い条件を提示して来てもらおうとすることが多いと思います。

デメリット

業務がきつくなることがある

力量のある技術者であることを期待されているわけですから、より多くのことを任される可能性が大きいです。
その場合抱える業務量も増え、残業なども増えてくるでしょう。

・会社の人脈構築を最初からしなければならない

もちろんこれまでの人脈はほぼリセットされ、新しい会社での人脈構築が必要となります。
私は所属会社でよく飲んだりするなど親交の深い二人おりますが、そうなるまで所属して三年以上かかりました。このあたりは人それぞれだと思いますが、親交を深めるのは時間がかかり、それもリセットされます。
また元々所属していた会社の人脈なども信頼関係が崩れて交流がなくなる可能性も大きいです。

・信用が低くなる可能性

引き抜き転職ばかり繰り返していると、良い条件を提示されたらまたどこかにいかれてしまうと思われるかもしれません。
現場で会う技術者で「20代後半で転職回数8回」「30代後半で転職回数2回」という二人のパターンを聞いてどう感じるでしょうか?

引き抜きが起こりやすいタイミング

契約期限や所属会社の都合で、現場を離れることになるタイミングが起こりやすいです。
いなくなってもらっては困るので、引き抜きを行い留まってもらうという考えです。
私や自社のメンバーが受けたのもこのタイミングでした。

引き抜きによる転職トラブル

・所属会社とのトラブル

もちろん可能性として考えられますが、こればかりは会社により対応の温度差が大きいです。
私の所属する会社の技術者が引き抜かれた際は、引き留めはしたものの最後は円満に送り出したようです。
引き抜きを伏せていても辞めるタイミングなどで露見しやすいです。
理由を正直に話せば妥協案を提示してくれるかもしれません。

・所属会社と引き抜いた会社とのトラブル

こちらの方が起こる可能性は大きいです。
引き抜き行為自体は違法ではありませんが、グレーで業界的にはNG行為とみなされています。
所属会社としては自社の人材が盗られるようなものなので面白いはずはありません。新人から育成しているのであればなおさらです。
私の所属する会社の技術者が引き抜かれた時は、管理職の者が厳重抗議に赴きました。
一見技術者に直接関係しないかもしれませんが、事と次第により影響が出るかもしれません。

トラブルを回避する考え方

所属会社に不満があり、機会があれば転職したいという状況は少なからずあるでしょう。
その場合引き抜き話があれば検討するのも仕方ない事だと私は思っています。
トラブルを回避する考え方として

・転職タイミングをずらす
・普通に退職してからことを進める

などでしょうか。
不満があれば辞める前にぶつけてみるのも、解決策を提示してくれるかもしれないのでいいかもしれません。

また何より転職してから自身が納得できることも重要です。
私の体験談やさいごの部分を読み進めてみて下さい。

引き抜きを受けた時の体験談

私が引き抜き話を受けた現場は、やっている内容が面白く充実していましたが、とてもハードでした。
私の場合は金銭面ではなく「やっている内容が面白いでしょう??ぜひ来ませんか?ずっとこういうことできますよ!」という感じでした。
もちろん「詳しく話を聞かせてください!」となれば金銭面の話になって、今より上乗せされた提示を受けたとは思います。

メリット:金銭面、内容
デメリット:業務がハード、ずっと続きそう

充実感はあったもののかなり精神をすり減らしました。
一次的ならいざしらず、このような業務をかなりかかえているような現場で、入社すればいくつも任されそうなのは見えていました。
金銭面の代わりに犠牲が大きすぎると判断しました。

もとより所属会社に不満はなかったので、行くつもりはありませんでしたが笑

さいごに

引き抜き行為はなくならないものと思っています。
問題行為であるとはいえ、現在も過去も聞かなかったことはありません。

もし引き抜きを受けて転職したい場合は、メリットとデメリットをよく考えてください。
エンジニア歴の浅い段階では魅力ある条件にとらわれがちですが、非常に危険なことです。
転職した後、後悔しない為にも金銭面のメリットを一度除外してこの転職が正しいのかどうかを考えてみる事をオススメします。

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